Wednesday, January 11, 2012

Architecture as Spatial Measure Machines

Posted 20/01/2009 by Haruko Seki / Studio Lasso Ltd www.studiolasso.co.uk

Architecture as Spatial Measure Machines -From 11th Venezia Architecture Biennale

これは今回の建築ビエンナーレで私がびっくりさせられた展示のひ とつである。ハンガリー館での展示だが、これも実はコンペを勝ち抜いた日本の建築家の作品であった。





Corpora in Sighteと題するこのプロジェクトは、広域なエリアに多数のセンサーを敷設したメッシュネットワークを形成し、リアルタイムの環境情報(気温、明る さ、風向き、風速、ノイズ=人々の活動etc)を収集・集積し、そのデータ解析をもとに特殊なノーテーションシステムによって構造化される不可視の建築 が、リアルタイム・コンピューティングによって館内・野外に生体のように成長または減退しながら生成変化していくというものである。

この プロジェクトはdoubleNegatives Architectureによって2007年10月から2008年1月に山口情報芸術センター(YCMA)で展示され、メディアテクノロジーを駆使した新 しい建築展として国内外から大きな注目を集めた。メディアテクノロジーを積極的に取り込む新しいスタイルの建築グループdoubleNegatives Architectureは、建築家市川創太氏を中心とする複数の国際的メンバーで構成されている。今回のハンガリー館参加の経緯は、コアメンバーのプロ グラマー、アコシュ・マーロイがハンガリー出身であることから、ハンガリー人キュレーター、ジュラ・ユリウスをコミッショナーとしてハンガリー館でのプロ ジェクト候補に選ばれたというものである。


このプロジェクトで興味深いのは、リアルタイムに変化する環境情報としての建築が構想 されている点である。ここでは、平面図、立面図、パースなどの既存の空間表記法を超えて、人間の身体感覚に備わっていない空間知覚をソフトウェアが補うこ とによって、複数の全方向主観視点から同時に捉えられた建築形態が瞬時に決定されていく。

タイトルに"Architecture as Spatial Measure Machine"とあるように、doubleNegatives Architectureでは、空間を計測する装置・プロセスとして「建築」を位置づけ、空間ノーテーションを提示するインスタレーションから3次元音響 システムを使った音の建築などへとプロジェクトを展開している。

建築のみならずランドスケープの新しい可能性を垣間見せるような前衛的エ クシビションであったが、今後特に「音の建築」については、自分のなかのテーマと重ね合わせながら、彼らの活動に注目していきたいと思っている。

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出展タイトル:コーポラ・イン・サイト
出展場所:ハンガリーパビリオン(ジャルディーニ地区)
コミッ ショナー:ジュラ・ユリウス
出展者:ダフルネガティヴス・アーキテクチャー http://doublenegatives.jp/
協 力:山口情報芸術センター(YCAM)

参考文献:山口情報芸術センタープレスリリース 

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